アメリカザリガニはとても美味い
アメリカザリガニはとても美味い
今日は天気が良かったので、近くの公園にザリガニ取りに行った。
そこはザリガニ取りで少し有名な公園だ。近くに人工の小川があり、どじょうや沼エビ、そしてザリガニがいる。ザリガニとは、もちろんあのアメリカザリガニだ。
ウシガエル用の餌としてアメリカから持ち込まれたわずか数十匹を川に放り込んだことにより、大繁殖した。それによってメダカをはじめとする日本固有の魚が消えていっている。
どうやら来年は危険外来種のカテゴリーに入るらしく、大々的な駆除が全国的に行われるんじゃないかと思っている。
我が家のは2人の男の子がいる。
まだ園児と小学生低学年だ。生き物に興味津々である。
ザリガニもその対象内で、彼らは公園に行くたびに山ほど釣ってくるのだ。
さて、問題はここからだ。
そのザリガニをどうするかである。
ザリガニは外来種だ。できれば川にリリースするのは避けたい。そうすると川のどじょうがザリガニに食われてしまうかもしれない。鳥の餌として近くに放ることも考えたが、ザリガニは案外タフだ。水がなくてもある程度の距離は歩いてしまう。このまま川に戻ってしまったら意味がない。
でも飼育するにしては多量だ。毎回30匹ほどを連れて帰ってくるのだ。
ただ無駄に殺すのはどうにも気が引けた。
殺す提案をしたのだが、子供の無垢な瞳に見つめられてダメだった。
考え抜いた末、最終的に至った結論が、食うことである。
ザリガニは元々食用だ。
ヨーロッパなどでは夏の風物詩らしい。日本では馴染みがないだけで、世界的に見れば立派な食料である。私には中国人の知り合いがいるのだが、彼女が何故あんなに美味いザリガニを日本人は食べないんだと、笑って言われたのを思い出し、ネットで調べて調理した。
結論から言うと、美味かった。
煮るとロブスターのように真っ赤になり、実はプリプリだ。これを炒めて食べたのだが、歯応えの良いシャコのような味で非常に食べ応えがあった。
小さいザリガニは食べにくいが、それでも、しっかりとエビの味がして美味かった。
あまりに美味かったので夫にも勧めたのだが、ザリガニ=汚い川のイメージが強いのか食べてもらえなかった。
なら友人や姉妹はどうか。彼らにザリガニの事を話したのだが、みんなマジか!?と言うだけで食べたいという人間には出会えてない。
非常に残念である。こんなに美味いのに。ザリガニは食べるものでなはい、といった固定観念があるのだろう。
それゆえ彼らは食べないのだ。
先日、上野のアメ横センターに香辛料を購入しに行った。ここは地下が輸入食品店となっていて、輸入された生きた食品が売っている場所だ。そこには立派なケースの中によく見るアメリカザリガニが売られていた。しかも百グラム百五十円でだ。そこそこの値段である。
また店内を見れば川で巨大化し、問題となっている外来種の鯉なども売られている。
世界的に見ればザリガニは食べることの方が常識だ。なのに日本はザリガニを食べずに駆除しようとしている。
鯉もだ。鯉は臭みはあるが食べれる魚だ。日本の川で巨大化して問題になっているが、鯉は中国ではメジャーな食料だ。素揚げにして餡かけや甘タレをかけたら絶対にうまい。
そういえば昔の日本人は鯉を食べる地方もあったのだ。今では海魚が主流なのであまり習慣はないが、昔の人は食べていた。そう思うと駆除はある意味フードロスなんじゃないかって思う。
立つ場所によって常識は異なる。
そんなこんなで、私は今日も取ったザリガニの泥抜きをしている。二日後には食卓にザリガニ料理が並ぶ予定だ。
ザリガニは冬眠前の今が旬だ。料理が非常に楽しみである。